床にかけたワックスを剥離剤で剥がしていくリスクとデメリットで書いたように、ワックスで床をピカピカにする場合は、定期的な剥離が必要となります。
そしてUVコーティングの施工は入居後でも可能!でも書いたように、UVコーテイングの施工は、新築に限らず受け付けております。
今回は、この2つが奇妙に噛み合った、世にも恐ろしい話です(笑)
この案件をご依頼くださったお客様のお宅は、入居10年程の3LDKマンション。
そして施工内容は、そのお部屋のリビングと、リビングから玄関までの廊下で14畳といったところ。広さからいうと朝から始めて、日が暮れるまでには全工程が完了する案件でした。
しかしひとつ問題があって、どうやらお客様ご自身で、すべての床にワックスをかけていらっしゃっていたようなのです。もちろん私たちはUvコーティングの業者ですので、ワックスを綺麗に剥離してコーティングさせていただきます。
ということで、剥離の準備をしっかりとして施工となりました。
作業開始
当日は予定通り朝9時に伺って作業開始。
まずは聞いていた予定通り、ワックスを完全に剥離することから開始しました。
これまでにしてきた施工で、入居後の案件や、新居でも内装業者がかけたワックスがキツイ場合等、ワックスの剥離から開始する案件はいくつもありました。
なので、いつものように作業していたのですが、開始してすぐに
「あれ?何かおかしいな…」
と、違和感が止まりません。
剥離剤を使って剥っても剥ってもワックスが剥離しきれないのです。
これにはたまらずお客様に問いました。
「ワックスをどんな感じでかけていたのか」
「使用していたワックスはどのようなものなのか」
原因解明・・・
その回答をきいてビックリしました。
入居10年。回数は覚えていないほどにはワックスをかけた。
それはいいとして問題は・・・
「一度も剥離をした事が無い」ことでした。
10年間、ワックスを塗り重ねてきたのです・・・
しかも使用していたワックスが、とにかく丈夫・長持ちを謳っているかなり頑固なワックスだったのです。
これではなかなか剥れないはずですよね。
理由がわかったからといって、UVコーテイングをする前に、ワックスの剥離作業をしなければいけない事実は変わりません。
なので、気持ちを入れ替えて再び作業開始。
と、気合は入れ直したものの、帰りが遅くなることは確定ですね。
おぞましい
どんな状況であろうと、床をUVでコーティングして綺麗な状態にすることが私たちの仕事!
と息巻いて、とりあえず剥離剤をたっぷり床にたらし、しばらく放置してワックスに染み込ませてることにしました。そして、ふやけたワックスを鉄のヘラでこそぎ取ることにしたのです。
するとどうでしょう。出るは出るはで、ほぼ固形に近いドロドロの分厚いワックスがこそぎ取れました。
10年間、一度も剥離をせずワックスを塗り重ねたそれは、もうワックスのミルフィーユという表現がぴったりでしたね。
おぞましいというのは、決してこの工程の労力に対してではなく、ワックスがこれだけ塗り重なっている床の状態は、清潔さのかけらもないということです。
床を綺麗に見せるためにかけたワックスの、剥離という基礎知識がない、または怠ったゆえに起こった、おぞましい状況でした。10年間の汚れを閉じ込めているようなものですからね・・・
施工完了
ワックスをこそぎ取り、まだ残っているワックスをまた剥離剤で拭き取る。この作業を繰り返して、剥離作業が完全に終わったのは、夕方の6時を過ぎていました。
普通の剥離では、UVコーティングまで全工程が終わっているであろう時間ですね。
それから休む暇なくUVコーティングを開始して、施工完了したのが夜の11時過ぎで、危うく日を跨いでしまう所でした。
知り合いの同業者から「ワックスが頑固すぎて夜中まで剥離作業してたよ」という話は聞いたことはありましたが、この広さでここまでかかるとは、参りましたね。
その後・・・
UVコーティングは、施工してしまうとその強度や特性から、施工後にそのお客様にお会いすることは滅多にありません。なんせ20年保証ですからね。
しかしこのミルフィーユワックスのお客様は、お知り合いにUVコーティングを勧めてくれたらしく、1年後に連絡をくださいました。
再度お会いしたミルフィーユワックスのお客様に
「床の具合はどうですか?」
と尋ねると
「うん、調子いいよ。掃除も楽だし。」
と言って頂きました。
これは本当にうれしいお言葉でしたね~
頑張った甲斐がありました。
UVコーティングにおいてワックスの剥離作業は手が抜けないので、またこのような床に出会っても頑張って剥っていきたいと思います。
また、UVコーティングが視野に入っていない人でワックスを使っている人は、剥離もマメに実行しないと不潔な床が完成してしまうので、注意が必要ですね。。。
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“ワックスの剥離を怠ると恐ろしいことになると実感したUV施工例” への1件のフィードバック